露光を補正するーその3(darktabel第6回)

引き続き、露光補正について、実際の例を示します。

クラデーションマスクによる露光補正の例題

次は、池と空を含む写真で、露光の問題は次の2つです。

  1. 水面の露光が空に比べて少ない。

  2. 全体に露光が少なすぎる。

全体の露光量を変えるには、前回説明したように、露光モジュールで露光の値を変えればよいのです。一方、水面だけを明るくするのであれば、この方法では、空が明るくなりすぎます。そこで、描画マスクのグラデーションマスクを使ってみます。

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サンプル画像

露光モジュールで、ブレンドを描画マスク、グラデーションを選ぶと次のように、グラデーションの表示が中央画面に現れます。

 

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グラデーションの作成

そこで、グラデーションの位置、変化量を調整、露光量を調整します。ここでは、マスクの反転をONにしています。

 

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グラデーションの設定

確認のためにマスクを表示すると次になります。

 

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マスクの表示

モジュールの複製

グラデーションマスクのガイドを外した写真ですが、まだ、全体が暗く感じられるので、全体の露光を調整することにします。

 

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修正中の画像

露光のモジュールの四角化が重なったアイコンを左クリックすると、メニューが出てくるので、「インスタンスの複製」を選びます。(補助ガイドは、「マウスの中クリック」と説明がでますが、中クリックでは何も起こらないので、左クリックでサブメニューを表示して、インスタンス(ここでは露光モジュール)を複製します。)

 

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インスタンスの複製

 

次のよう露光モジュールが2つできればOKです。

 

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露光モジュールの複製

 

傾き補正

露光モジュールが2つできたら、1つは、クラデーションマスクを使った露光補正を、1つは、全体の露光補正に使います。次が、その結果ですが、水面が少し、傾いているのが気になります。

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修正中の画像2

トリミングと回転モジュールを開きます。

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トリミングと回転モジュール

マウスの右をクリックしたまま、水面の境をなぞると、傾きを自動的に算出して、補正してくれます。

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傾きの自動補正

次が、補正結果で、必要なトリミングが自動的になされています。

 

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補正結果

raw画像補正では、露出不足の黒い画像や、逆光画像を補正することが可能です。しかし、逆に、白飛びした露出過多の画像は、白い部分にはデータがないため、補正することは困難です。

 

darktableでは、レイヤーが明示的にはつかわれませんが、モジュールxマスクが1つのレイヤーを構成し、モジュールをコピーすることで、複数のレイヤーをつくることができます。同じマスクを、複数のモジュールで共有することもできるので、マスクがレイヤーに相当すると解釈することもできます。いずれにしても、レイヤーを使った処理と等価な処理をすることができる点が重要です。