2月第3週の東京都の感染者数のまとめ:補足~コロナウィルスのデータサイエンス(187)

2月第3週の東京都の感染者数のまとめ:補足

昨日まで、1週間で1日分しか、公開されていなかった、東京都の検査データが、2月19日まで、更新されました。その結果、昨日は不明であった点が、埋まりましたので、1日しかたっていませんが、データを差し替えておきます。

本文は、それに合わせて一部を修正しています。

>>

2月の第3週も終わるので、今週の2月20日(21日分も追加)までの感染者データをまとめておきます。

Google Transitデータも更新しました。

Googleの予測データも、2月17日版に更新して、これも7日移動平均をEstimatedでプロットしてあります。

>>以下が、大きな変更点です。

今週の東京都の検査データは、検査数が直近7日平均6,756.1 人(6,630.6 人)、陽性率が直近7日平均 4.1 %(5.1 %)です。これは2月19日の数値で、()は、2月1日のデータです。つまり、検査数は変化していませんが、陽性率が1%下がっています。

図1が、2月17日版のGoogleの予測値と、東京都の感染者数、経路不明感染者数です。

行動制限率は、7日移動平均では、ー41%で大きな変化はありません。感染者数と経路不明感染者の減少が止まっています。先週のGoogle予測では、感染者数は、3月に入ると200人を切るというものでしたが、図1では、200人は切らないようになっています。

先週の筆者の予測は、今後、「陽性率の減少がなければ、200人から300人の間くらいで、いったん足踏み状態になる可能性」があるというものでしたが、思ったより早く、300人を切る前に、足踏み状態に近づいています。ただし、東京都の検査データが1日しか進んでいないので、1週間の間の検査数と陽性率の変化は不明です。また、現在は、高原状態で、一休み後、更に感染者数が減少する可能性も高いので、先週の予測の評価はもう少し、保留したいと思います。

図2に、11月1日からの東京都の経路不明率と陽性率を示します。陽性率は1週間まえより移動平均では、1%下がったのですが、図2の平均していないデータでは、そろそろ下げどまっているように見えます。経路不明率は、足踏み状態で、減っていません。

図3に、感染者数の1週間前の同じ曜日との差を示しています。東京都が前週との比を使うようになったので、前週との減少比率(1week_ratio)もプロットしてあります。行動制限率はここのところ、-41%前後です。1week_ratioはゼロを中心に変動しており、感染者数の減少は止まっています。

図4は、1週間前との偏差です。最新のデータは2月19日です。1つの点が1週間前と比較した1日のデータです。陽性率の偏差はー1%を切って、変化が小さくなっています。一方、検査人数の偏差は、-1000人前後減っています。

Go Toトラベルの影響で、2020年11月の個人旅行は、2019年の11月の170%という数字が出ていました。前年の1.7倍まで旅行者が増えれば、感染が増えるのも当たり前と思います。結局、11月に感染が増えた原因が分析できていませんので、1月に感染が減少した原因も、ここ1週間で、感染の減少が止まってきた原因もわからないという状態にあります。東京都で、300人台は外国に比べ少ないから、問題は少ないという判断もできますが、緊急事態宣言を解除すれば、行動制限率は-30%まで、10%くらいは大きくなると思われます。補助金支出が途切れれば、おのずとそうなります。現状が均衡点であれば、行動制限を緩和すれば、感染者数は、増加に転じると思われます。ただし、世界的な感染者数の減少傾向をみれば、直ぐに感染者数が増える心配はないかもしれません。現在は決め手に欠けている状態と思われます。

 

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図1 東京都の感染者数の推移(左軸:人、感染者数、経路不明感染者数、右軸:%、Google Transitデータ、2月17日版Google予測データ)

 

 

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図2 東京都の経路不明率と陽性率(左軸:経路不明率%、右軸:陽性率%)

 

 

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図3 東京都の感染者数の前週の同じ曜日との比較とGoogle Transit(左軸:感染者数の差、人、右軸:行動制限率%、右軸:感染者数の比x(ー1))

 

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図4 東京都の前週の同じ曜日との感染者数の差(横軸)と陽性率の差(縦軸)

 

  • COVID-19 感染予測 (日本版) 2月10日版、2月17日版

https://datastudio.google.com/reporting/8224d512-a76e-4d38-91c1-935ba119eb8f/page/4KwoB?s=nXbF2P6La2M

  • NHK特設サイト

https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/

  • 都内の最新感染動向

https://stopcovid19.metro.tokyo.lg.jp/

https://www.google.com/covid19/mobility/ Accessed: <2021.2.20>2021-2-18version.

 

 

フュージョンと良い写真をめぐる考察(15)

自然は芸術を模倣する(Nature imitates Art)

「自然は芸術を模倣する(Nature imitates Art)」は、オスカー・ワイルド(1854〜1900年)の言葉で、一般には、アリストテレスの言葉、「芸術は自然を模倣する」へのアンチテーゼで、「アンチミメーシス」と解釈されています。もとの、「ミメーシス」とは、「模倣(芸術)が、実物(自然)を超えることがある。模倣は、現実を超えた美をもたらすことがある。」という説です。つまりワイルドは、人間の自然の見方は芸術に影響されると説明しています。

この説が正しいとすれば、風景写真は、自然を写しているのではなく、自然の見方を提示していることになります。つまり、風景写真の主題とは、自然の見方を伝える点にあります。ですから、カメラマンとしても、ワイルドの説を採用するか否かは、重要な選択になります。

昔はインターネットがなかったので、「アンチミメーシス」は、ワイルドの毒舌の一つと解釈されることが多かったと思います。三木清の解釈(「自然は芸術を模倣する」白澤社ブログ)も、結構、ポイントを外しているように見えます。現在は、疑問があれば、ウィキペディアで調べることができます。

自然が素晴らしいという解釈は、ルソー(1712ー 1778)によると言われています。それまでは、アルプスのような自然は、近寄らない方がよいとされていました。日本では、昔から、自然信仰があるので、理解しにくい部分です。

アルプスについていえば、カスパー・ヴォルフ(1735-1783)の描いたアルプスの風景が、アルプスに対する視覚的認識に大きな影響を与えたといわれています。ヴォルフは、ベルンの出版会社社長から依頼を受けて、旅行ガイドブックに挿入するスイスアルプスの風景のイラストを担当して、アルプスの絵を描き始めます。

写真1は、wikiにあるカスパー・ヴォルフのアルプスの絵です。結構、寒い感じがする絵です。

最近、「Caspar Wolf and the Aesthetic Conquest of Nature (カスパー・ヴォルフと自然の美的征服)」という本が出ています。原本はドイツ語のようです。アマゾンの本の紹介を和訳します。これを読むと、「自然は芸術を模倣する」ということは、逆説ではなく、カスパー・ヴォルフの活動の追認にすぎないことがわかります。


壮大な自然の光景としてのアルプスの概念は驚くほど最近のものです。その岩だらけの山の尾根が「崇高」で美しいと見なされ始めたのは18世紀になってからでした。スイスの風景画家、カスパー・ヴォルフ(1735–1783)は、山への広範囲な進出を通して、芸術の主題として当時ほとんど未踏のアルプスの世界を発見した最初の一人でした。ドイツ南部とパリで画家としての訓練を受けたウルフは、スイスアルプスを包括的に紹介する挿絵シリーズの制作を依頼され、1773年から1779年の間に完成させます。アーティストは屋外で行われた自然研究から約180の印象的な絵画をアトリエで作成しました。この出版物は、彼が見たものを美的基準に従ってどのように伝えたかを示しています。彼の劇的な構図では、小道は巨大な岩、轟音の水流、氷河によって遮られているか、景色が開いて巨大なパノラマが現れ、小さな畏怖の念を起こした人物が観察しています。


 

このブログで、風景写真を掲載しているのは、地域振興につながらないかと考えているからです。問題は、被写体の建設者が、カスパー・ヴォルフのように、そこの風景から、見どころを切り取るという意識(自然は芸術を模倣する)をもっていないことが多い点にあります。

 

 

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写真1 Glaciers Montagne Canton Berne(wikiによる)

 

  • 「自然は芸術を模倣する」アンチミメーシスとデカダンス

https://art.japanesewriterinuk.com/article/anti-mimesis.html

  • 「自然は芸術を模倣する」白澤社ブログ

https://hakutakusha.hatenablog.com/entry/2019/08/29/153731

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%B3%EF%BC%9D%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%BB%E3%83%AB%E3%82%BD%E3%83%BC

  • Caspar Wolf wiki

https://en.wikipedia.org/wiki/Caspar_Wolf

  • Caspar Wolf and the Aesthetic Conquest of Nature

https://www.amazon.co.jp/Caspar-Wolf-Aesthetic-Conquest-Nature/dp/3775738339

旧土肥家住宅の隠居屋(ひたちなか海浜公園・ひたちなか市)~つくば市とその周辺の風景写真案内(325)

旧土肥家住宅の隠居屋(ひたちなか海浜公園・ひたちなか市

前回の続きの旧土肥家住宅の隠居屋です。

写真1は、案内板です。主屋と同様に、ダイドコロは土間です。一方、主屋とは、ことなり、隠居屋には、オカッテがあります。

写真2は、隠居屋の外観です。

写真3は、隠居屋の内装です。オカッテは右の囲炉裏のある部屋です。オカッテは通常は「台所」と解釈されるのですが、この隠居屋には、ダイドコロがありますから、オカッテは字の通りの「お勝手」(奥様が勝手に使ってよい部屋)の意味と思われます。囲炉裏のある部屋は、ここだけですから、冬は、この部屋が、生活の中心になっていたと思われます。

 

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写真1 旧土肥家住宅の隠居屋の案内板

 

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写真2 旧土肥家住宅の隠居屋

 

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写真3 旧土肥家住宅の隠居屋

 

極上の焼き芋の焼き方(73)

焼き芋羊羹と焼き芋の話(5)

ポストプロセッシング

「焼き芋羊羹と焼き芋の話」シリーズは、前回で完了するつもりだったのですが、前回、「乾燥をさらに進めるには、サツマイモを切ってから、乾燥させる方法も、電子レンジを使う方法もあり得ます。」と書いたので、放置するのもよくないと思い試して見ました。電子レンジの加熱は、食材の分量で、加熱時間を変える必要がありますので、今回の結果の加熱時間は参考にしかなりませんが、電子レンジで加熱すると、何が起こるかは、理解できます。

ポストプロセッシングは次の2種類を試してみました。

 

  • 処理1

600W で2分加熱する。焼き芋は3切れ。

  • 処理2

処理1で加熱した、焼き芋のうちの1切れを、150Wで6分加熱する。

処置結果

処理1は、水分が飛んで、甘くなったと思います。

処理2は、焼き芋が温かい間は、芋きんとんのような感じだったのですが、冷えたら固まって、飴のように固くなってしまいました。電子レジでは、加熱しすぎに注意が必要です。

以上とは、別に、150W5分で、焼き芋1切れを加熱してみました。これは、ゆっくり加熱して、干し芋状態になることを期待したのですが、結果は、若干、乾燥しすぎでした。時間はかかりますが、干し芋をつくるのであれば、電子レンジではなく、オーブンを使ったほうがよさそうです。

 

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写真1 ポストプロセッシングした焼き芋(左から順に、処理2,処理1、処理なし)

 

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旧土肥家住宅の母屋(ひたちなか海浜公園・ひたちなか市)~つくば市とその周辺の風景写真案内(324)

旧土肥家住宅の母屋(ひたちなか海浜公園・ひたちなか市

旧土肥家住宅は、ひたちなか海浜公園に移設されている民家です。主屋と隠居屋の2棟あるので、2回に分けて紹介します。ひたちなか海浜公園には、実は、2019年7月に古民家がもう1棟(旧會澤家住宅)移設されているのですが、表の方から見えなかったので、見落として、写真を撮り損ねています。

写真1は、旧土肥家住宅の案内板です。主屋と隠居屋とは、実は、ほぼ、同じ大きさです。案内板で、「ダイドコロ」と書かれている場所は、土間になります。

隠居屋の建設は1703年で、主屋の建設時期は、はっきりしませんが、隠居屋より50年くらい古いと推定されているようです。2つの住宅は、旧新利根村から移設されています。

写真2が、主屋の外観です。時代劇に出てくるようなイメージです。

写真3が、主屋の内装です。太い材木が使われています。ちょっと自信がないのですが、写真2では、明かり障子は使われていません。この住宅では、縁側がないので、雨が吹きこむので、明かり障子が採用されなかったと考えています。古民家の場合には、採光が難しく、室内は暗いことが多いです。ここでは、行灯型の電球が入っていますが、本来は、これがなく、かなり暗かったと思われます。

 

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写真1 旧土肥家住宅の案内板

 

 

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写真2 旧土肥家住宅の母屋

 

 

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真3 旧土肥家住宅の母屋

 

極上の焼き芋の焼き方(72)

焼き芋羊羹と焼き芋の話(4)

補足事項

積み残し事項の補足です。以前の記事には書いている内容ですが、途中から、読者になられた方には通じないので、今までの3回に書き落とした点を補足しておきます。

  • サツマイモの選択

サツマイモは、ここでは、紅はるかをつかっています。紅あずまでは、うまくいきません。シルクスィートでも、紅はるかと似た状態にはなると思います。

サツマイモは、傷の少ない良いものを選んでください。目利きの自信がない場合には、JA行方などのブランドものを使うことも、1つの方法です。

サツマイモのサイズはMかL(200g、300-350g)がよいです。S(100g)は、この時期には、保存によって乾燥しすぎています。紅はるかは、紅あずま程は大きくならないので、2L以上の紅はるかがあるのか不明です。過去の2L、3Lの紅はるかと書かれたサツマイモの焼き芋の実験は全て失敗していますので、2L以上はお勧めできません。

  • アルミホイルの包み方

写真1のように、サツマイモはよく洗って、水分をふき取ってください。次に、金串かフォークでサツマイモの皮に小さな穴をあけます。これを行わないと、加熱によって、内部の空気が膨張して、爆発することがあります。

写真2は、サツマイモに合わせた大きさのアルミホイルをカットしたところです。

写真3は、アルミホイルをサツマイモに巻き付けたところです。アルミホイルはサツマイモの水分保持の目的で使いますので、アルミホイルがサツマイモを完全に覆うようにしてください。この状態で、オーブンのトレイに並べで170度で加熱します。

  • 加熱方法

加熱方法は前回書きました。ここは、補足です。合計で120分加熱できれば、連続でも、60分x2に分けてもかまいませんが、お薦めは、60分x2です。その理由は、2時間まとまった時間をとらなくてもよいので、時間調整が容易だからです。たとえば、本日(土曜日)の場合には、お昼に、60分加熱して、その後、トロ箱に入れて、そのことをすっかり忘れていました。夕食時に、トロ箱をみて、焼き芋を作成中であったことを思い出して、アルミホイルにくるんだサツマイモを取り出して、夕食後に60分加熱して、再びトロ箱に、いれて保存しました。あとは、翌朝に、サツマイモをトロ箱から出せば食べられます。

乾燥が必要なら、食べる前にオーブンで追加加熱すればよいわけです。乾燥をさらに進めるには、サツマイモを切ってから、乾燥させる方法も、電子レンジを使う方法もあり得ます。ただし、電子レンジを使う場合には、アルミホイルを完全にとってから、サツマイモだけを加熱してください。

  • トロ箱の注意

発泡スチロールのトロ箱は、燃えやすいので、注意が必要です。ここでは、100度以上の温度のアルミホイルが、直接に、トロ箱に触れないように、アルミホイルにタオルを巻くことを勧めています。タオルの隙間から、アルミホイルが飛びだすと、危険なので、タオルの巻き方に注意し、トロ箱にサツマイモを入れてから、5分程度は、異常がないかを確認してください。

 

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写真1 水分のふき取りと金串

 

 

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写真2 アルミホイルの大きさ

 

 

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写真3 アルミホイルに包んだサツマイモ

 

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2月第3週の東京都の感染者数のまとめ~コロナウィルスのデータサイエンス(186)

2月第3週の東京都の感染者数のまとめ

2月の第3週も終わるので、今週の2月20日までの感染者データをまとめておきます。

Google Transitデータも更新しました。

Googleの予測データも、2月17日版に更新して、これも7日移動平均をEstimatedでプロットしてあります。

今回は、東京都の検査データに問題があります。先週の最新の検査データは、2月11日でした。今日は、それから1週間たったのですから、普通にいけば、最新の検査データは、2月18日になるはずです。しかし、最新のデータは、2月12日で1日分しか進んでいません。2月12日と2月11日のデータを比べても始まらないので、検査データの比較は省略します。

Googleの予測値は今回は、新(図2)と旧(図1)を掲載しています。この2つのグラフのGoogleの予測値以外のデータは同じです。

図1が、2月10日版のGoogleの予測値と、東京都の感染者数、経路不明感染者数です。

図2が、2月17日版のGoogleの予測値と、東京都の感染者数、経路不明感染者数です。

行動制限率は、7日移動平均では、ー41%で大きな変化はありません。感染者数と経路不明感染者数の減少が止まっています。図1のGoogle予測では、感染者数は、3月に入ると200人を切るというものでしたが、図2では、200人は切らないようになっています。

先週の筆者の予測は、今後、「陽性率の減少がなければ、200人から300人の間くらいで、いったん足踏み状態になる可能性」があるというものでしたが、思ったより早く、300人を切る前に、足踏み状態に近づいています。ただし、東京都の検査データが1日しか進んでいないので、1週間の間の検査数と陽性率の変化は不明です。また、現在は、高原状態で、一休み後、更に感染者数が減少する可能性も高いので、先週の予測の評価はもう少し、保留したいと思います。

図3に、11月1日からの東京都の経路不明率と陽性率を示します。陽性率のデータは1日分しか更新されていませんが、1週間分更新できている経路不明率は、足踏み状態で、減っていません。

図4に、感染者数の1週間前の同じ曜日との差を示しています。東京都が前週との比を使うようになったので、前週との減少比率(1week_ratio)もプロットしてあります。行動制限率はここのところ、-41%前後です。1week_ratioはゼロを中心に変動しており、感染者数の減少は止まっています。

図5は、先週に1データが追加になっただけなので、詳しい、説明は省略します。ただし、ここのところ、感染者数の減少が止まっていますから、今後、検査データが公開された場合には、陽性率と検査数の双方とも1週間前との差で、減少がみられないという原点に近い部分にデータが追加されると予想しています。

Go Toトラベルの影響で、2020年11月の個人旅行は、2019年の11月の170%という数字が出ていました。前年の1.7倍まで旅行者が増えれば、感染が増えるのも当たり前と思います。結局、11月に感染が増えた原因が分析できていませんので、1月に感染が減少した原因も、ここ1週間で、感染の減少が止まってきた原因もわからないという状態にあります。東京都で、300人台は外国に比べ少ないから、問題は少ないという判断もできますが、緊急事態宣言を解除すれば、行動制限率は-30%まで、10%くらいは大きくなると思われます。補助金支出が途切れれば、おのずとそうなります。現状が均衡点であれば、行動制限を緩和すれば、感染者数は、増加に転じると思われます。ただし、世界的な感染者数の減少傾向をみれば、直ぐに感染者数が増える心配はないかもしれません。現在は決め手に欠けている状態と思われます。

 

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図1 東京都の感染者数の推移(左軸:人、感染者数、経路不明感染者数、右軸:%、Google Transitデータ、2月10日版Google予測データ)

 

 

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図2 東京都の感染者数の推移(左軸:人、感染者数、経路不明感染者数、右軸:%、Google Transitデータ、2月17日版Google予測データ)

 

 

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図3 東京都の経路不明率と陽性率(左軸:経路不明率%、右軸:陽性率%)

 

 

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図4 東京都の感染者数の前週の同じ曜日との比較とGoogle Transit(左軸:感染者数の差、人、右軸:行動制限率%、右軸:感染者数の比x(ー1))

 

 

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図5 東京都の前週の同じ曜日との感染者数の差(横軸)と陽性率の差(縦軸)